「海のない大和の国に名物昆布とは?」とさぞお思いの事と存じまして、吉川屋の始まりのお話をさせていただきます。 大正時代、おぼろ職人であった私の父、兵三郎は妻とみと共に東京は浅草で昆布加工品の卸業を営んでおりましたが、大正12年、関東大震災に被災し、大火に焼け出された両親は途方にくれながら故郷の大和へ帰ってまいりました。 その頃、丹波市(現在の天理)では人通りも多く、商店街が賑わっていた為、ここで商いを始める事と決心したそうです。 開業当時、両親は昆布の試食を通りや駅で行き交う方々に配り歩いたそうです。それ以来、当時小さなお店でしたがお土産として昆布をお買い上げくださるようになり、今は天理の名物昆布として皆様にご愛顧頂く様になりました。 現在、お買い上げのお客様におまけを差し上げておりますが、それは当時の名残として今も続けさせていただいている吉川屋の重要なスタイルとなっています。
皆様のお蔭をもちまして、吉川屋も2007年に創業85周年を迎えることができました。 今後も味一筋にお客様のお好みに添えるようたゆまぬ努力をかさね、お客様のお引き立てに答えさせていただきます故、これからも相変わりませずご贔屓の程、お願い申し上げます。 大和青垣の緑美しい天理へお越しの節は、是非当店へもお立ち寄り下さいますよう、一同心からお待ち申し上げております。
店主 上田 稔子 敬白